補聴器ってクソ高いですよね。
耳掛け式の安価な奴でも7~8万円しますもんね。しかもコレ片方だけの値段ですよ……。そんな高価な補聴器を買う際に失敗しない方法について書いてみました。
補聴器を選ぶ際には補聴器そのものよりも「販売店」を選べ!
当たり前の事なんですけど意外とこれが出来てないんです。
補聴器は、それを必要とする人たちの置かれている状況によってどれを選ぶべきかが大きく変わってきます。
その状況について特に重要だと思われるのが
- 年齢
- 仕事
- 用途
の三大要素だと私は思っています。
特に年齢が若すぎるかそれなりに高齢の方は要注意です。
自分の判断より何より医者やお店の言いなりになりかねません。医者やお店の言いなりになって何が悪いのか?と思うかもしれませんが、全てが良心的な医者やお店とは限らないんですよ?
というのも、私自身が実際にあくどいお店に被害を受けたことがあるのです。
自分の身は自分で守るしかありません。特に高齢者は狙われやすいので十分に気を付ける必要があります。
ところが実際に狙われるのは単身の高齢者が多いので、なかなか対策がいきわたらないのも事実。さすがに単身の70代、80代の方がネットにつないでこんなブログを読むとは思えません(;^_^A
とは言え何もしないよりはマシだという思いで、影響力なんか皆無なブログ(泣)ではありますが警鐘を鳴らしておきたいと思って書いております。
願わくば、補聴器購入を考えている方のご家族なり身近な方が読んで、ほんの少しでも参考にしていただければ幸いです。
とりあえず初めに、私が受けた被害の話をしてみたいと思います。
実は私は金銭的被害を受けたわけではありません。酷かったのは、補聴器購入後のそのお店の対応でした。
購入する補聴器の金額で態度が変わる販売店の悪質さ
私が今の臨床工学技士という資格をとるために、東京の学校に通って学生をしていた頃、アパートの近くの病院で医療助手のアルバイトをすることになりました。
ちなみにアパートは千葉県の浦安市でした。ディズニー近かったけど結局一度も行ってないとこれは余計な話。
仕事をしながら、やはり補聴器の必要性を感じて近所の耳鼻科に相談に行ったのです。
一応これまでも補聴器自体は2~3度購入していましたが、そのどれもがうまく自分に合わず、いつしか使うことをやめてしまっていました。
今度ばかりは就職も絡んでくるのでそうもいかず、じっくりと自分の耳に合う補聴器を選ばなくてはと、近くの大学病院を紹介されて耳鼻科の診察を受け、さらにそこで有名な全国チェーンの某補聴器センターの紹介をしてもらって、数年ぶりに補聴器センターに足を運んだのです。
色々なメーカーの補聴器がありますが、多分この当時、ほとんどの人はインターネット等で調べるということを今ほど当たり前の様には行っていなかったでしょう。そのためメーカーの違いなど詳しくはわかりません。なので大抵は販売店や医師の言うことに従ってしまいます。
ところが当時、私はそれなりにインターネットで調べて各メーカーの製品や性能を比較できましたので、必要な機能や聴力の補填度合いをチェックできました。
この時私が購入しようと思った製品はフォナック社製の補聴器で、値段は片方で約16万ほどでした。
そして実際に購入しています。
私が購入したものとはすでにだいぶ変わっていますが、カタログではこの製品です。
この補聴器の特徴は、CICと呼ばれるかなり小型の耳穴式補聴器で、正面から見たときはおろか横から見てもほとんど補聴器が入ってることが分からないという点でした。
医療現場で働く際に、患者からしたらあからさまに補聴器が入ってる人間が医療従事者というのは抵抗があるのではないかという、今思うとちょっと無駄な配慮をしてしまった当時の私は、こういう小型で目立たないものの方がいいだろうと考えたのです。
そして何より、外した時の青と赤がなんだかお洒落に見えて気に入りました(笑)
フォナック社の補聴器は耳掛け式もデザインやカラーが豊富で、サイズもほとんど気にならない小型のモノまで幅広く扱っているので、多感な子供たちに補聴器を買い与える際は一度購入を検討する価値があると思います。
性能的にもかなり良く、世界でのシェアもNo.1です。実際に補聴器店ならほぼどこでも扱っているメーカーだそうです。
さて、上記の基礎知識を得た私は、お店に入って目的の製品を取り扱っているか確認します。販売の方に現状の聴力を伝え、フォナック社の補聴器の購入を検討している旨を伝えました。
するとその販売の方は、
「あなたの聴力に対してその補聴器ではパワーが弱いし機能も充実していないからこちらの製品の方がいい」
と別の製品を提示してきました。
どの製品かと、示した機器を見ると、なんとそのシリーズの最高機種。お値段片耳46万円……!
ちょっと待て!
いやいやいや。
当時私はまだ障害者手帳も持っていなかった上にそう簡単に片方に30万も40万も出せないしがない学生です。
一体この店員さんは何を思ってそんな高価な補聴器を勧めてきたのでしょう……?
ここまであからさまに営業利益を得ようとする姿勢はある意味感心です。
「いや高すぎて無理」
当然のようにそう伝えると、今度は
「両耳買っていただけるなら片方分は半額に出来ますよ」
「分割払いもご利用いただけますので……」
ちょっと待て!
いやいやいやいや……。
学生に、しかもまだ手帳も取得できていない中程度難聴者相手にそこまでして最高機種を売りつけるか普通……? 両耳買ったら片方半額に割引してもらっても60万以上だぞ…?
ねーわ。
若い店員だったからなー……もしかしたら営業ノルマとかあったのか?
とりあえずその店員の言うことには
「こちらの補聴器でしたら指向性もあるんですよ」
「ハウリング抑制も強くなっててお薦めですよ」
「リモコン機能もありますよ」
「プログラムが組めるんですよ」
とあらゆるメリットを強調してきました。
そのうえさらに、私の買おうとした機種が一番廉価版のものでしたので
「これだと聴力的にカバーしきれないと思いますよ」
「無指向性ですのでどの方角からの音でも同じようにしか聞こえませんよ」
「フォナック社のウリのクロス機能が十分に発揮されませんよ」
などとネガティブキャンペーンの嵐。しかも良くわからないと思って専門用語を混ぜてくるあたりがウザい。
そしてことあるごとに
「両耳買えば片方半額」
をささやく。お得感を出そうとしてくる。
そもそもが高すぎて全然お得じゃねーし。
そしてとうとうその店員は私にゴマすりまで始めてきました。
「お客様はまだお若いですから色々な機能も使いこなせるでしょうし、充実した機能の付いている補聴器を買っておかれた方が宜しいかと思います」
当然です。だって当時の私にとっては機能云々よりなにより
単純に高すぎるねん!
普通に無理だっつーのにまあしつこいこと。
この当時、20代でしたが、ヒョロガリでしたので舐められてたのかもしれません。
さすがに嫌になってきて
「あ、じゃあもういいや、別の店に行きます」
と伝えて店を出ようとしたところ、急に態度が軟化して
「あ、すみません、それではこちらの製品の方で……」
と急に話を変えだしました。
あからさますぎますね。本当にこの時点でお店を変えておくべきだったと思います。ですがまあ病院から紹介されたお店であったことやアパートから比較的近かったことから、面倒くさくなってその場で購入の話を進めてしまったのが失敗の元……!
補聴器は買ってからが本番
そもそも補聴器というのはメガネなどと違って買ったらおしまいというものではありません。いいメガネは購入後もメンテナンスが大事ですけど。
それはそれは細かい微調整が必要になるものなのです。
人それぞれ聞こえ方が違うわけですからもっとこの辺りの音域をこうして欲しいああして欲しいの要望があって当然で、それを調整するのは補聴器販売店の義務です。
当然この調整は無料であるはずなんです。もちろん電池だとか細かい消耗品は有料ですが。
ところが私が買った販売店ではちょいちょい調整代を取られていました。
といっても一回数千円ですが……。これどうなんだろう?違法じゃないのだろうか?
※ちなみに現在私が補聴器を購入した店は、何度調整しても完全無料ですのでお店に拠るのかもしれません。もし調整代がかかるようなお店に行ってるようでしたら、ほかの補聴器センターに行ってみて話を聞いてみるのもありかと思います。
そして何より、その補聴器センターは、私の買った補聴器が一番安い(それでも両耳で30万近く出してる!)タイプの機種だったせいか、最初に訪れたときに比べて露骨に態度が悪い。
調整に行くたびに嫌そう!
ものすげー嫌そう!
あからさまに嫌そう!
また来たのかよ的な顔で見るんですよね。店員たちが。しかも微調整が必要な機器なのに対応する人が毎回違うので、調整幅が毎回違う。もう面倒くさい。
ある程度調整出来たところで一切行かなくなりました。
電池はその辺の眼鏡屋さんでも売ってますのでそれでも問題なかったのです。
あとは壊れしなければ。
と、まあ色々最悪なお店でした。
ちなみに補聴器自体はそのシリーズの中では一番安いタイプだったにもかかわらずかなり優秀で、学生時代はずっと問題なく使えていました。
就職してさらに聴力が悪化するまで足かけ7年ほど交換の必要を感じないくらい活躍してくれました。今使うとさすがに見劣りしますが、何しろもう15年近く前のモデルになりますから比較になりません。
その後、就職先が地元の病院になったので東京を離れ、勤務先となった病院の耳鼻科で診察を受けたときに補聴器外来にかかりました。
そこに来ていた補聴器センターの方と話をしたところ、他店で買った補聴器にもかかわらず細かく再調整してくれて非常に助かったのです。
補聴器外来が2週に一回しかなかったため、もっと細かい調整が必要だと思ったらお店に来てくれれば随時調整してくれるとのことで、お言葉に甘えて調整してもらってました。
補聴器を買ったお店の対応とは全然違って、また調整の仕方もすごく手慣れており、数回調整しただけで全く違和感がなくなりました。
この時ほど、補聴器を買う際にはお店選びが重要だと痛感したことはありません。
のちに聴力が悪化し、手帳を申請して補聴器を新しくする必要が出た際にはもちろんこのお店で買いました。そしてそれが現在も使用している補聴器です。
この時のお話についてはまた機会があればご紹介したいと思います。
※追記:その時買った補聴器の話をこちらに書きました。
結局補聴器を買う際にはどうしても金額が気になるよね
とりあえず、子供に補聴器を買い与えたい親御さんや、単身の高齢者の方に注意喚起を促したいのは
高すぎる補聴器は無理に買う必要はない
という事実です。
その値段の基準ですが、どの程度聞こえないのかにも拠りますけど、高度難聴までで片方30万円を超えてきたらちょっと待った!です。
特に最近の技術革新は素晴らしいもので、現在ならたいていの補聴器は10万前後から30万前後の金額で中程度~高度の難聴まで対応できるものが多いです。
そうなると極端に高価な補聴器を買う意味はあまりありません。
では片方だけで30万を超えてくる補聴器は10万20万の補聴器と一体何がそんなに違うのでしょうか?
実はそのほとんどはあってもあまり使わないような便利機能だったりします。
勿論より高価な補聴器の方が雑音抑制が非常に優れていたり、様々な外部機器につなげることが出来たり、より高度な調整が出来たりと機能の充実度は当然優れています。
ですが、 どんなに機能が優れていても、使いこなせなければ無意味であり、違いが感じられなければそれは言い方は悪いですが猫に小判、豚に真珠になりかねません。
実際に私は今の補聴器センターで
「高い補聴器は確かにいろんな機能がついてはいるし高機能だけれど、殆どの人は使いこなせないし違いも判らないのでそこまで必要な人は滅多にいない」
と言われました。
上位機種の補聴器を使う必要性があるのは、それこそ補聴器の多種多様な機能が商売に直結する人や、それらの機能を使うことで何らかのメリットがあるプロ的な仕事をしている人、プロのスポーツ選手など、特殊な場合がほとんどです。けれど、ごく一般的な難聴者が使うには持て余す機能が多いのです。
障害者手帳を交付されていれば、補聴器を購入する際には補助金の申請が可能ですがそれにもいろいろな条件や金額的な制限がありますので、おいそれと高価すぎる補聴器には手が出ません。
高価な製品には高価なりの理由が必ずありますが、そこまでして必要な機能なのかどうかをしっかり見極める必要があります。
そしてそういう余計な機能の不要性をしっかり客の立場からも考えてアドバイスしてくれる販売店を選ぶべきです。
……個人的には機械好きなので、片耳で50万も60万もするような補聴器にはどんな素晴らしい機能がついているのか試してみたい気もしますが(笑)
長くなってしまいましたので、今回はここまでにして次回は良い販売店の選び方について、私の思うところを書いてみたいと思います。
よろしかったらまたお付き合いください。