
AviUtlでは「スクリプト制御」を組み合わせることで、オブジェクトに様々な動きをさせることが可能になります。オブジェクトの色を変えたり、ばらばらに大きくしたり、変形させたりすることもできます。
この記事ではスクリプトの役割について解説し、AviUtlで動画編集をするにあたって導入すべきスクリプトを紹介します。
「スクリプト」で何ができる? スクリプトの導入が必要な理由
スクリプトとは一種のプログラムコマンドです。スクリプトを導入することによって、動画編集に必要な数々の演出を施すことが可能になります。
まずはスクリプトの仕組みを簡単に解説します。
こちらの記事にてAviUtl本体と同時にインストールされた「拡張編集プラグイン」には、「スクリプト制御」という機能が備わっています。
「スクリプト制御」はLuaというスクリプト言語を使用して図形や文字などのオブジェクトにプログラム制御を加えた動きを追加する機能です。

それを使うとどうなるのさ?

実際にスクリプト制御を使ってみようか。
スクリプト制御を使ってみよう
AviUtlのタイムライン上にテキストオブジェクトを配置します。

標準描画ウインドウ上で右クリックし「フィルタ効果の追加」を選択します。
フィルタ効果の中から「スクリプト制御」を選択します。通常ですとフィルタ効果一覧の下の方にあります。

するとテキスト標準描画ウインドウの下部に「スクリプト制御」のウインドウができます。

「文字毎に個別オブジェクト」にチェックを入れます。

ここで何でもいいのでテキストを記述してみます。今回は「だんだん大きくなるスクリプト」と記述しました。

下段のスクリプト制御欄にその名の通り文字がだんだん大きくなるスクリプトを作成します。
「obj.zoom = 0.2*obj.time」と記述してみましょう。これは「時間変化でオブジェクトを0.2倍ずつ大きくする」という意味のLua言語です。
再生してみるとこのように表示されます。

この時、0.2の数値を0.5などにすれば、さらに文字を拡大させることができます。色々いじって試してください。
ちなみに「文字毎に個別オブジェクト」にチェックを入れずにこのスクリプト制御を使用すると、テキスト全体がだんだん大きくなります。これは入力したテキストが「テキストオブジェクト」という1つのオブジェクトとして扱われるためです。

テキストにスクリプトを使用する際は、基本的に「文字毎に個別オブジェクト」にチェックを入れないとうまく反映されません。
スクリプトを毎回記入しなくてはならないのか?
基本的にはその必要はありません。
実際問題、スクリプト制御を毎回使用してその都度コマンド文を入力するのはかなり大変です。
そこで、あらかじめスクリプトを記述したファイルを別に作成しておきます。
これをAviUtlに読み込ませることで、使いたいスクリプトを選択するだけで色々な動作をさせることが可能になるのです。
しかし……

そんな疑問もでてきてしまいますよね?

実は、こうして作成した様々なスクリプトが書かれたファイルを、有志の方が無料で配布してくれています。
これらのファイルを「配布スクリプト」と呼んでいます。


ちゃんと感謝して使わせてもらわなきゃ。
もちろん、自分のさせたい動作を実現できるプログラムを調べて構築し、スクリプト制御ウインドウに直接記述する方法もあります。
この方法のメリットは、オブジェクトに、既存の配布スクリプトにはない自分の思い通りの様々な動きをさせることが可能になることです。
あるいは、既存の配布スクリプトの内容を自分好みに改良してしまう方法もあります。
ただし、スクリプトによっては利用規約に抵触してしまうかもしれませんので、ここは各自でご確認ください。各スクリプトの作成者のサイトか、スクリプトフォルダに付属しているreedmeに記載されています。
自分で思い通りにオブジェクトを操れるようになりたい方は、どんどんLua言語を勉強してください。
教本も出てはいますが、少々古いものしかないようです。
なので、例えばスクリプトの学習のとっかかりには以下のサイトなどでさわりを知るのも良いかと。
さらに詳しく知りたい方はこちらが参考になるかもしれません。
ただ、現在ではAviUtlで使用できる配布スクリプトには、実にいろいろな種類が用意されています。実際にグーグルで「AviUtlスクリプト」と検索すれば、数えきれないほどたくさん見つかります。
これらの配布スクリプトさえあれば、プログラマー志望などでない限り、AviUtlのためだけにLua言語を学習する必要はほとんどないでしょう。
導入すべきスクリプト一覧
AviUtlを使うなら導入しておきたい必須スクリプトを提供してくださっている方々はこちら。
上記のスクリプトだけでもかなりの数に上ります。
ですので最初のうち、慣れるまではどれか好きなものだけでも構いません。
ただし、上に紹介したスクリプトは最終的には全部必要になると思われます。というより、あって損はありませんので、個人的には可能な限り最初に全部導入してしまうことをオススメします。おそらく考えうる演出はほとんど出来るようになります。


必須なスクリプトを是非導入して、AviUtlを使った動画編集をより楽しいものにしてしまいましょう!
こちらの記事でスクリプトを導入して実際に使用する方法について解説していますので是非ご覧ください。